「えんぴつ」と「墨」で描くデザイン
すべての製作工程は、このデザイン(下絵)を描くところから始まる手描き京友禅。
このデザインを基に、糊を置いたり、色を付けたり、金彩を施したりします。そのため、少しでもミスがあるとその後の工程に影響するので、私たち悉皆屋(プロデューサー)が事前に職人(デザイナー)に気を付けてほしい箇所や注意点などを伝える必要があります。
デザインが完成するまでの流れ
私たちが作りたいもののアイデアや雰囲気を職人におおまかに伝えます。その後、職人がイメージしたものを「えんぴつ」でラフにして描いていきます。何度かの打ち合わせの中で、修正をかけていき、最終的に「墨」でデザインの本描きをしていきます。
まずは「えんぴつ」でラフを描く
常に「どこにどういうバランスで何を描くか」「このデザインのiPadバッグ/ケース/ショルダーバッグを使っているお客さんはどういう風に他の人から見えるか/見られたいか」ということを考え、ラフを描いていきます。
打ち合わせで話を詰めることで、私たちと職人の考えやイメージを同じものにします。
えんぴつで描いているため、桜の柄一つ取っても、それぞれ微妙に異なります。これが手描き京友禅の【味】になるのです。
その後、「墨」で本描きへ
ラフを描き終われば、この筆と墨を使って本描きに入ります。
筆もたくさんの種類があるため、そのデザインに応じて筆を選んでいきます。
えんぴつでラフを描く場合は、間違ったとしても簡単に消しゴムで修正できます。しかし、筆で書く「本描き」の場合は用意に消すことが出来ないので、注意を払う必要があります。
ラフは文字通りラフで、おおまかなデザインであるため、完璧なものではありません。
本描きをする時に、ラフの上から紙を敷いてトレースをしていくのですが、そのままなぞるだけではなく、ラフでは描いていない線や柄を修正/追加して描いています。
デザイン完成
これでようやく10を越える工程のうち、一つの工程が完了しました。
京の職人が手で作ることにこだわった、iPadバッグ。あなたも一度手にしてみませんか?